VICTIMs for PEACE (1) -私が悪役になるまでの物語-
VICTIMs for PEACE
-私が悪役になるまでの物語-
神耳Project.作:Antan
※この作品はフェクションです。
昔話 ‐1ページ目‐
それは、とても昔の話……。
凍りつく世界を独り見下ろす魔王。逃げ惑う人々は容赦なく、常世の中に引きずり込まれた様に見えた。
しかし、この状況を裏で操っていたのは、世界を守る事が使命のはずの勇者だった。勇者の残虐さに抗おうとしていた魔王は、人を一人も殺めてはいなかったのだ。
そう、人々を殺めたの他でもないその勇者だ。それを知った魔王の手下と騎士たちが、協力して勇者を倒した。勇者は死んだ。これまでの魔族の悪い偏見と共に。その後、人々と魔族は共に生活するようになった。今でも仲むつまじく平和に、共に過ごしている。
この話は、この世界で、知らない人がいないくらい有名な伝説、悪人三勇伝の三人目の勇者、偽りの勇者の話である。魔族と魔法使いに悪い偏見を付け、多くの人々を手にかけた勇者。その勇者の、非道で下劣な行いが記されている。
……この伝説は偽りだ。
誰も知らない物語~三代目偽りの勇者~
ヒトリヒトリ ‐2ページ目‐
小さな幼女が二人、仲良く遊んでいる。それを一人見つめる、ローンリネシー・イラニシ。ローンリネシーは、二人を呼び寝具へ来させた。さっきまで元気だったのは何処へやら、二人は可愛い寝顔を見せる。
この二人は親の顔を知らない。ローンリネシーは魔界と人界の境で二人を拾ったのだ。
一人は人間で、名前はヴェリー・ホワイト。明るい黄緑の瞳に金髪で、あまり表情に出さないポーカーフェイスな子だ。
もう一方は魔族で、名前はエアリス・シルバー。茶色い瞳に黒っぽい髪で、人一倍優しい。
ヴェリーは若干感受性が欠如していて、あまり物事を考えていない。天然というのだろうか、少しサイコパス染みてもいる様な。エアリスは頭がとても良いが、感受性が少し高く、頭がいい割に感情に流されやすい。悪い事ではないが、いざという時に問題にぶつかるだろう。
なぜ年齢がわかるのか?捨てた親が丁寧にネームプレートを子供につけていたみたいだ。だから分かった。ちなみに子供なのにこんなに詳細に性格が分かる訳がない。これはローンリネシーの固有能力のおかげだ。
だが、いつまでも彼女の元に子供たちは居られない。ローンリネシーは人間でも魔族でもなく、また、人間でも魔族でもあるのだ。彼女には、“来る時”がある。二人は、人界または、魔界に行かなくてはならない。
人界は、小さいころからでないとなかなか馴染めない。だから、六歳のヴェリーを人界に連れて行った。このとき、彼女は今までの記憶が邪魔になると考え、ヴェリーの記憶を消した。
魔界は馴染みやすい。だから、エアリスをある程度成長させて連れて行くほうが、無理に幼女を連れて行くより全然いい。エアリスは、十六歳のとき、魔界に連れてっいた。このとき、エアリスの記憶は消さなった。
それから、数年がたった。ローンリネシー……彼女に“来る時”が来た。彼女は報われはしなかった。
「あぁ神様、何時か、何時か、この世界が変わる日は来るのか?お願い変えて……」
なかのひと
※作品の内容とは関係ありません
Antanです。
ここでは試作を出しています。
改善点などのご指摘を頂けたら嬉しいです。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
(つまらない話でごめんなさい)