神耳Project/AntanProject

広がる世界、全ては一つに。

僕が宇宙人になった日(Antan)

エピソード

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 僕は普通の中学生だ。
普通という言葉が、当てはまるかは正直よく分からない。けれど、この生きている世界にいても違和感は無いと思う。当たり前のように朝起きて、学校に行って、勉強して、帰って、好きな事をして、昨日と同じ様に眠りにつく。
日々の繰り返しに、僕という人物がいても可笑しくないと思う。当たり前の日々を当たり前に暮らせる、見方を換えれば幸福なのかもしれないが、同じ境遇からしたら普通で良いだろう。
 今日もまた日々の中を刻々と繰り返す。
何時ものように学校に行き、席に着いた。何ら変わりない日常の流れだ。
クラスで浮いている人達は、開始の予鈴がなる寸前まで騒いでいる。隣の暗い人はそんな人達を気にも留めず、独り本を読んでいる。
先生が来たと思えば、さっきまだ騒いでいた人達が注意を受けている。何故そこまで騒げるのか分からない。あんなにしたって楽しくない……。こんなことを思うと、他とは違うと思うけど、僕があの人達を理解できないように、きっとあの人達も僕を理解できないだろう。そう考えると僕も同じだった。
先生の挨拶と共に、皆が立ち上がる。もう八年前から見ている光景だからか、この行動に対しても、感情は薄らいでいる。考えることを放棄したのだろう。
隣の人は、まだ本を読んでいる。それに気が付いたのか、先生が彼女を注意する。慣れていないからか、こういう光景には抵抗があった。でも、弱い立場の生徒にはどうにもできない。
 それから、先生は服装について話し出した。角の席の人が、校則に違反した服装をしていたからだろう。
別に校則違反をしたことがある訳では無いのだが、何だか好い気ではない。正直この校則の意味が分からないし、必要性について頭を捻らせて考えると、因循姑息という答えにたどりつく。
聞いてもどうせ風紀の為とかいう答えなのだろうが、生徒の権利を奪ってまで守る風紀が何なのか、僕には分からなかった。
そして、それに何の疑問も抱かず、暢気に肯定する人の気持ちも分からなかった。
 学活が終わると同時に、解き放たれた鳥の様に教室の外へ向かう人達。栞を挟んだページを開きなおす人。次の科目の準備をする人。
それぞれしている事は別だった。
僕はうつ伏せになりながら、人を見ていた。
自分とは違う人しかいないけど、自分以外も、気質とか行動とか、そういった性質が同じ人は一人もいなかった。だから、やっぱり自分は同じだと安心する。
 道徳の時間、「人と人との繋がりが皆の笑顔を作る」という内容の話について考える授業だった。
先生はこの話が何を表しているのかを考え、ホワイトボードに纏めろと指示を出した。
ホワイトボードに事を書いた人達が、次々と黒板にホワイトボードを張っていく。しばらく人でごった返して、黒板に張られたホワイトボードが露になる。
すると、所々で小さな笑い声が聞こえる。
 一人一人発表させられている。その意見のどれを取っても、僕は納得ができなっかった。内容の薄い綺麗事を並べているようにしか捉えられない。
そんな事を思っていると、自分の番が来た。
「この話は正直綺麗なだけで、僕は納得がいきません。そもそも幸せを感じるのは一人一人違いますし、中には人との関わりがストレスになる人だっています。なので、人と人との繋がりが皆の笑顔を作るとは間違っていると思います。それにこの話題についてを肯定的に捉えさせるような表現であり……」
すると、先生が面倒くさそうな顔をした。周りの人達は、「あれアイツだったのか」「めちゃいうじゃん」とかを小声で話されている
「もういい。次の人」
呆れた声で言われた。
僕は、またやってしまったと悔やんでいた。無理してでも合わせようとしても、自分が許さない。可笑しいと思うことに、以上なまでの嫌悪を示してしまう。その上、すぐに突っかかってしまう。
ものを考え過ぎているのは分かるが、考え過ぎないようにするには如何すれば良いのかが、分からない。
やっぱり自分は違うと思ってしまう。

なかのひと

こちらは短編になるかも。

これ、もうオチ想像できるやろ。

まあがんばりいも。

↓↓話の元ネタ